虫歯治療で用いられる麻酔の一つに、表面麻酔があります。
表面麻酔は、浸潤麻酔という注射を使った麻酔の前に行われるもので、麻酔針の痛みを大幅に軽減してくれるというメリットがあります。
今回は、こちらの表面麻酔における、あまり知られていないメリットについて解説します。
治療後の痛みが残りにくい
注射を打たれるときの恐怖心や強い痛みは、脳の神経系を過剰に興奮させ、治療が終わった後もその痛みの記憶が残像のように長引く原因になります。
表面麻酔によって、最初のアタックである痛みのシグナルを完璧にシャットアウトしておくと、脳の痛覚ネットワークが過敏状態になるのを防ぐことができます。
これにより、麻酔が切れていく過程や、治療が終わって帰宅した後に感じるじんじんとした嫌な余韻の痛みが少なくなります。
治療中だけでなく、家に帰ってからのリラックスタイムまで快適に過ごせるようになるのは、表面麻酔がもたらす素晴らしい効果です。
周囲の軽度な歯周病ケアや歯石取りも無痛化できる
虫歯の周辺にある歯茎が軽度の歯周病で腫れている場合、歯の治療だけでなく、その周りのクリーニングや歯石取りの器具が触れるだけでも痛むことがあります。
表面麻酔はジェルやスプレー、パッチの形で歯茎の広範囲に塗布されるため、虫歯の歯だけでなく、隣接する歯茎全体の感覚も一時的に優しく麻痺させます。
これを利用して、虫歯治療と同時に周囲の歯石除去やポケット内の洗浄を、まったくの無痛で行うことができます。
一度の通院で、虫歯だけでなく歯周病のケアまで不快感なく一気に進めることができるため、口腔内全体の衛生状態が効率良く向上します。
予防歯科への意識が芽生える
痛みのない快適な虫歯治療を経験すると、患者さんの意識は“痛くなってから渋々行く場所”から“悪くならないようにケアしに行く場所”へと180度転換します。
歯科クリニックへの恐怖心が消え去ることで、治療完了後も定期的なメンテナンスやプロによるクリーニングに前向きに通えるようになります。
つまり表面麻酔という小さなアプローチがきっかけとなり、結果として生涯にわたって自分の歯を多く残す予防歯科の習慣が身につくということです。
これこそが、表面麻酔が患者さんの人生にもたらす、もっとも意外で大きな一生モノのメリットです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・表面麻酔を使用すれば、麻酔が切れていく過程や、治療が終わった後に感じるじんじんとした嫌な余韻の痛みが少なくなる
・表面麻酔があれば、虫歯治療と同時に周囲の歯石除去やポケット内の洗浄を無痛で行うことができる
・痛みのない快適な虫歯治療を経験すれば、予防歯科の意識が劇的に高まる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!








